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ブランド力を高めるには?「このブランドがいい」と選ばれるために

広告を増やすか、Webを変えるか。ブランド力を高めるために何を優先するかを、認知と購入検討、利用場面、商品ごとの役割という3つの実務判断から考えます。

ブランド力を育てる3つの視点:顧客に届ける価値、信頼の根拠、顧客体験

「ブランド力を高めたい。でも、次に何へお金をかけるべきだろう。」

商品の品質には自信がある。お客さまからの評価も悪くない。それなのに、比較されると価格の話になり、広告を止めると売れ行きが鈍る。広告を増やすのか、Webサイトを変えるのか、それともブランドの見せ方から考え直すのか。選択肢はあっても、優先順位が決まらない。

ブランド力を高めるには、顧客に覚えてもらいたい価値を決め、その価値が伝わり、選ぶ理由になるように商品と伝え方をそろえることが大切です。 ただし、着手点はブランドの状態によって違います。知られていないのか、魅力が理解されていないのか、比較したときに選ばれないのかを見極める必要があります。

この記事では、支援の現場で向き合った3つの判断を紹介します。施策の種類を増やす前に、自社では何を優先すべきかを考えるための視点です。

ブランド力を認知度だけで判断しない

この記事ではブランド力を、顧客が必要な場面で思い出し、他の選択肢と比べたうえで選び、使った後も信頼できる力として考えます。

名前が知られていることは、その土台の一つです。そこから、「自分が欲しいものに合っている」「この価格で選ぶ理由がある」「次もこのブランドから選びたい」という認識につながるかを見ます。

そのため、広告で多くの人に見られたことと、ブランドが選ばれやすくなったことは分けて考えます。商品への理解や購入時の比較、使った後の評価まで確認すると、次に取り組む課題が見えてきます。

既にお客さまが評価している品質、使いやすさ、安心感なども大事な出発点です。ブランド力の向上は、すべてを新しく見せることではありません。残すべき良さを確かめ、まだ伝わっていない価値を育てていきます。

判断1 認知を広げるか 購入を迷う理由を解消するか

知名度を上げたいとき、まず広告の量を増やしたくなるかもしれません。しかし、既に関心を持っている人がどこで迷っているかによって、広告と一緒に整えるべきものが変わります。

ある商品ブランドの戦略設計では、生活者調査の回答を使い、認知、興味、購入検討、購入・使用の各段階を競合と比較しました。認知から興味につながる点には強みがある一方、購入検討や購入・使用には課題があると整理した事例です。

そこで、認知を広げるだけでなく、比較するときに必要な情報や、価格に納得できる説明を整える方針を立てました。調査だけで購入を見送る理由まで断定したわけではなく、「何が検討を妨げているか」をさらに確かめ、施策に反映するための判断です。

このような状況なら、広告費を増やす前に、商品ページで違いや価格の理由が分かるか、店頭で聞かれる質問に答えられているかを確認します。関心を集める施策と、購入を判断できる情報をそろえる施策を組み合わせる考え方です。

自社で確かめる際は、購入した人の理由、見送った人の理由、問い合わせやレビューを、販売状況と照らし合わせます。一つの声だけで全体を決めないことも大切です。課題の切り分けは、いい商品なのに売れない原因と改善の優先順位でも扱っています。

判断2 用途を広げるか 思い出される場面を絞るか

「いろいろな人に、いろいろな場面で使ってもらえる」。それは商品の強みになり得ます。一方で、広告ごとに違う用途を伝え続けると、何を期待して選ぶブランドなのかが残りにくくなる場合もあります。

実際の中期戦略づくりでは、既存商品の拡販、商品追加、用途の拡張、価格施策、特定の利用場面への集中を比較しました。そのうえで、まず特定の利用場面とブランドの結びつきを強める方針を提案しました。

このとき重視したのは、販売機会の数を増やすことよりも、顧客が「こういうときに使うなら、このブランド」と思い出せる状態をつくることです。何のブランドかが十分に伝わっていない段階では、用途を広げるほど、一つひとつの印象が薄まる懸念がありました。

既存商品の販売拡大をやめるという意味ではありません。販売を広げる施策を、選んだ利用場面でブランドを覚えてもらうための手段として位置づけます。先に強く伝える価値を決め、そこへ広告やクリエイティブの力を集める判断です。

集中する場面を決めると、写真で何を見せるか、コピーで何を約束するか、Webサイトの冒頭で何を伝えるかも選びやすくなります。既存のお客さまを切り捨てたり、他の用途で売らなくしたりする必要はありません。価値の言語化については、ブランドコンセプトの作り方で詳しく解説しています。

判断3 商品ごとに ブランド全体への役割を持たせる

新商品を出すたびに、その商品の特徴だけを説明していないでしょうか。一つの商品を知った人に、ブランド全体へどんな期待を持ってもらうかも考えたいところです。

実務で担当した商品プロモーションでは、ある商品を、機能向上を伝えるだけでなく、ブランド全体の高付加価値化を担う存在として位置づけました。関連する商品も共通の価値で捉え、ブランド定義から撮影・制作、媒体設計、効果検証の設計までを一連で扱いました。

ここでのポイントは、すべての商品に同じ役割を求めないことです。ブランドの特徴を印象づける商品、日々の売上を支える商品、初めての人が手に取りやすい商品では、見せる場所や説明の重点が違ってきます。

たとえば、ブランドの特徴を印象づける商品には、その良さを実感できる写真や映像、体験の機会を用意する。購入候補として比較される商品には、違いと選び方を分かりやすく示す。これは実務例から導ける施策の考え方であり、すべての商品に同じ広告や制作費を割り当てる必要はありません。

高価格帯の商品を用意すれば、ブランド力が高まると決まっているわけではありません。手頃さ、扱いやすさ、選びやすさ、親しみやすさが顧客に支持されるブランドもあります。自社が育てたい価値を、実際の商品から感じられるかが判断の軸です。

商品ごとの違いを説明しながら、共通する品質や考え方も伝える。そうすることで、ある商品への関心を、ブランドの他の商品を検討するきっかけへつなげることを目指します。

決めた方針を広告・Web・店頭に反映する

方針が決まっても、広告、商品ページ、店頭で別々の魅力を伝えていては、同じブランドへの期待として積み重なりにくくなります。先ほどの判断を制作へ落とすときは、たとえば次のように見直します。以下は実務例を踏まえた適用例です。

優先する課題広告や売り場で見直すこと
興味は持たれるが、購入検討につながりにくい広告で伝えた魅力を商品ページでも確かめられるようにし、比較情報や購入前の疑問への回答を補う
何に使うブランドかが曖昧写真で見せる利用場面、コピーの約束、Webサイト冒頭の説明を同じ方向にそろえる
商品ごとの良さが、ブランドの印象につながっていない商品を紹介する順番や見せ方に役割を持たせ、個々の違いと共通する価値を伝える

そろえるのは、顧客に持ってもらいたい期待です。広告と商品ページで、まったく同じ文章を繰り返すという意味ではありません。興味を持つ場所では伝えることを絞り、比較する場所では詳しく確かめられるようにします。

既存の制作物で使えるものは残し、不足している情報や表現から補えます。訴求そのもののつくり方は、商品の強みを選ぶ理由に変える訴求のつくり方で扱っています。

ブランド力の変化を顧客の反応と事業の両方で見る

取り組みを始めるときは、優先した課題に合わせて「どんな変化を確かめるか」も決めます。

利用場面との結びつきを育てたいなら、顧客がそのブランドをどんな場面で思い出すか。比較・検討の課題を減らしたいなら、何を理由に候補へ入れ、どこで購入を迷うか。認知度や広告の表示回数だけでは分からない変化を、調査や顧客の声で確かめます。

そのうえで、購入や受注、販売単価、利益、再購入など、事業側の変化を見ます。商材によって買い替えの周期が違うため、確認する期間は実際の購入行動に合わせます。

実務でも、調査項目や報告の設計を、次の施策と予算の判断に使えるように整理しました。数字を集めるだけでなく、続ける取り組みと見直す取り組みを選ぶためです。

なお、売上が増えていても、広告量、値引き、販売先、在庫などが同時に変わっていることがあります。売上の変化だけを「ブランド力が上がった証拠」とはせず、顧客の評価と販売条件を合わせて判断します。

事業成果との関係は、ブランディングと売上のつながりでも解説しています。

最初に変えるのは 自社で選ばれにくくなっている部分

まずは、伸ばしたい一つのブランドや主力商品について、販売状況、購入・見送りの理由、現在の広告や商品ページを見比べてください。

知られていないことが主な課題なら、接点を増やす。知られていても価値が伝わっていないなら、伝える内容を見直す。魅力は伝わっているのに選ばれないなら、比較情報や購入時の不安を確かめる。複数の課題がある場合は、顧客への影響と実行できる範囲から順番を決めます。

確認の結果、価格、品揃え、買いやすさ、実際の使い心地に課題が見つかることもあります。その場合は、伝え方を変えるだけで解決しようとせず、関係する部門と改善すべき点を共有します。

ブランド力を高める仕事は、広告やデザインの刷新を決める前の「何を育て、何から変えるか」という判断から始まります。 顧客に評価されている良さを残しながら、次の投資が必要なところを見極めていきましょう。

自社のブランドをどう育てるかを相談する

  • 商品には自信があるのに、ブランドとしての魅力が伝わらない。
  • 競合と比べられたとき、価格以外の理由で選ばれたい。
  • 広告やWebに投資しているが、次に何を優先すべきか決められない。

こうした段階からご相談いただけます。最初から課題を一つに絞り切る必要はありません。

utsuwaは、商品や販売状況、顧客の反応をもとに、ブランドとして育てる価値と施策の優先順位を一緒に考えます。決めた方向性をコピー、写真、Webサイト、広告、店頭販促などへ具体化し、実行後の反応を見ながら改善します。

新しく制作する範囲だけでなく、今ある広告やWebサイトを活かせるかも含めて検討します。何を発注するかが決まっていなくても、自社の商品と、今うまくいっていないと感じることからお聞かせください。

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企画・編集:株式会社utsuwa

本文中の実務例は、当社代表の担当経験をもとに、企業・商品・時期・数値など、案件の特定につながる情報を省いています。実施した支援と戦略上の提案を区別し、ブランド力や売上の向上を実証した事例としては紹介していません。施策への適用例は、考え方を説明するためのものです。

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