HOME/ COLUMN/ARTICLE

← COLUMN INDEX

マーケティングプロセスとは?戦略を実行・改善につなぐ手順と実務事例

調査も広告も進めているのに、次に何をすればよいか決まらない。マーケティングプロセスを、各段階で何を決め、次の担当者に何を渡すかまで具体化します。utsuwaの匿名実務事例も紹介します。

マーケティングプロセスとは?戦略を実行・改善につなぐ手順と実務事例

調査はした。広告もSNSも動かしている。制作会社からの提案も届く。それでも、会議では「結局、次に何をすれば売上につながるのか」が決まらない。

こうしたときに見直したいのが、マーケティングプロセスです。現状を確かめ、誰にどんな価値を届けるかを選び、商品・価格・販路・伝え方を実行し、その結果から次の判断をする一連の流れを指します。

utsuwaでは、この流れを「各段階で何を決め、何を次の担当者に渡すか」まで具体化します。この記事では、基本的な手順に加え、戦略・制作・調査をつないだ支援経験から、実務で止まりやすい箇所と進め方を整理します。

マーケティングプロセスの全体像

市場や顧客を調べ、対象とする顧客・提供価値を選び、施策を実行して検証する。基本の考え方は共通ですが、工程の分け方や呼び方は目的によって変わります。ここでは、実務で扱いやすい5段階に整理します。

段階決めること次の工程に渡すもの
現状把握どこに課題・機会があるか事実と仮説を分けた課題整理
顧客・価値の選択誰の、どんな選択に応えるか優先する顧客と選ばれる理由
施策の設計商品・価格・販路・伝え方をどう組み合わせるか施策の役割、予算、評価指標
実行誰が、何を、いつまでに進めるか依頼内容、担当、判断者、期限
検証・改善何を続け、何を変えるか検証結果と次の実行内容

顧客・価値の選択では、市場を分けるセグメンテーション、対象を選ぶターゲティング、競合や代替手段との違いを定めるポジショニング、いわゆるSTPを使います。施策の設計では、商品・価格・販路・プロモーションを組み合わせる4Pが役立ちます。

フレームワークの項目を埋めたら完了、というわけではありません。調査で前提が変われば対象を選び直し、実行上の制約が分かれば施策の組み合わせを見直します。必要に応じて前の工程に戻ることも、プロセスの一部です。

1. 調べる前に「何を決めたいか」を決める

「市場を理解するために調査する」だけでは、集めた情報の使い道が曖昧になります。まずは、今回の判断を一つの問いにします。

たとえば「次の販促で、どの商品を中心に伝えるか」「問い合わせの件数と商談につながる割合の、どちらに課題があるか」「新規顧客と既存顧客の、どちらへの施策を先に進めるか」です。

問いが決まれば、必要な材料も絞れます。売上合計だけでは判断できないなら、商品別・販路別・顧客別に分ける。選ばれる理由が分からないなら、購入者の声に加え、見送った理由を確認する。調査の規模よりも、判断に必要な情報が足りているかを見ます。

資料では、確認できた事実、そこから考えた仮説、まだ分からないことを分けます。「アクセスが減った」は事実でも、「広告が弱いから減った」は追加確認が必要な仮説です。両者を混ぜると、原因が違っていても施策だけが先に決まってしまいます。

売上が伸びない場面で見る数字と顧客の声は、いい商品なのに売れない原因と改善の優先順位で詳しく整理しています。

2. 顧客を選び、施策の優先順位をつける

現状を整理したら、誰のどんな状況に応えるかを選びます。「幅広い層に知ってほしい」という方針だけでは、広告の内容も商品ページの説明も決めにくくなります。

ここで具体化したいのは、顧客が困っていること、現在の対処方法、比較する相手、購入をためらう理由です。競合は同じ種類の商品だけとは限りません。別の手段で済ませる、今は買わない、という選択も含めて考えます。

次に、その顧客を動かすために必要な施策を選びます。伝え方に課題があれば訴求や制作物を、買える場所に課題があれば販路を、提供内容と価格の関係に課題があれば商品や価格の設計を見直します。

複数案があるときは、「事業への影響」「仮説を支える材料」「実行に必要な時間・費用・人員」を並べて比較します。大きな成果が期待できても、発売日に間に合わない案や在庫が用意できない案は、そのまま実行できません。採用する施策と、今回は見送る施策を決めておきます。

3. 戦略を、制作・営業・運用への依頼に変える

戦略が決まっても、「この方向でよい感じにお願いします」では、担当者ごとに解釈が分かれます。外部パートナーに渡す依頼にも、社内で進める仕事にも、同じ判断材料が必要です。

utsuwaが依頼内容を整理するときは、次の項目を確認します。

  • 目的: この施策で、事業上の何を前に進めたいか。
  • 対象: 誰に、どんな場面で届けるか。
  • 変えたい認識・行動: 見た人に何を理解し、どう動いてほしいか。
  • 伝える価値と根拠: 何を約束でき、その裏付けは何か。
  • 接点の役割: 広告、Web、営業資料、店頭などが何を担うか。
  • 制約: 予算、納期、在庫、表現上の条件、必須事項は何か。
  • 評価・進行: 何を見て判断し、誰が承認し、いつまでに決めるか。

提案を比較するときも、これらに戻ります。「印象に残る案か」に加え、「狙う顧客に価値が伝わるか」「その先で購入・相談できるか」「根拠の範囲を超えた表現になっていないか」を確認します。

たとえば、説明用の例として、広告では使う場面を伝え、商品ページでは比較に必要な情報を示し、販売の現場では残った疑問に答える役割分担が考えられます。同じ内容をすべての接点に載せるより、顧客が次に知りたいことを受け渡せる設計が必要です。

発売に向けた判断の具体化は、新商品の売り方とプロモーション戦略の5つの判断も参考にしてください。

実務事例|ブランド定義から制作・調査までつないだ支援

utsuwaが関わった商品のプロモーション支援では、ブランド定義、制作パートナーへの依頼、提案・制作物のレビュー、調査・報告書の設計を一連で扱いました。以下は、支援記録で確認できる進め方を、企業・商品を特定する情報を省いて整理したものです。

先に、制作物を判断する基準をつくる

ブランドの対象、提供価値、商品の役割、コミュニケーション方針を整理しました。これにより、制作の打ち合わせで確認すべき前提を明文化し、パートナーへの依頼内容につなげました。

提案と制作物を、戦略の意図に照らして確認する

依頼して終わりにせず、提案・撮影・制作物の確認まで関わりました。目的や前提から何がずれているか、どこを修正するかを整理し、関係者との打ち合わせや進行管理にも反映しました。

調査と報告書を、次に使うために設計する

調査票だけでなく、結果をどの切り口で集計し、報告書で何を説明するかまで扱いました。結果の紹介で終わらせず、次の施策や依頼内容を検討するための構成を設計しました。

実務で必要なのは、ブランド定義書・制作依頼・レビュー・調査・報告書を、同じ判断軸でつなぐことです。自社で見直す際も、前の工程で何が決まり、その内容を次の担当者がどう使うかを確認すると、受け渡しが不足している箇所を見つけやすくなります。

4. 効果検証の条件を、実行前にそろえる

成果を見てから都合のよい数字を選ぶと、次の判断がぶれます。施策を始める前に、目指す事業成果、その途中で確認する行動、比較の条件を決めます。

販売が目的なら、売上だけでなく数量・単価・利益をどう見るか。問い合わせが目的なら、送信件数に加え、有効な相談や商談をどう判定するか。広告の表示やクリックは、その前段階を理解する材料として扱います。

また、前後で売上が増えていても、価格変更、販売日数、在庫、販路、季節需要が違えば、そのまま施策の効果とは言い切れません。比較できる条件をそろえ、そろわない条件は結果と一緒に残します。

検証するタイミングも事前に決めます。配信・表示・購入導線の不具合は早く確認し、顧客の反応や事業成果は、購買までにかかる時間と集まったデータ量を踏まえて判断します。

5. 会議の最後に、次の行動まで決める

「認知を上げる必要がある」「訴求を改善する」で会議が終わると、次回も同じ話になりがちです。結論を、実行する担当者が動ける単位に変えます。

たとえば「商品ページを改善する」なら、誰にどの情報が不足していると考えたのか、何を変えるのか、誰が確認するのか、いつまでに公開するのか、公開後に何を見るのかまで決めます。

一つの施策について、判断の理由・担当・期限・確認指標を残す。 これが、分析を仕事の依頼に変え、結果を次の施策に戻すための最低限の記録になります。

マーケティングプロセスでよくある質問

調査に大きな予算をかけられない場合は?

まず、手元の販売データ、問い合わせ、顧客との会話、販売現場の声を整理します。次に、今の判断に足りない情報だけを追加で集めます。少数の声は仮説をつくる手がかりになりますが、市場全体を代表する結果として扱わないことが大切です。

毎回、すべての工程をやり直す必要がありますか?

その必要はありません。既に確認できている前提を使い、変化した条件や未確認の仮説に戻ります。ただし、対象顧客や提供価値が変わる場合は、それに関係する施策や評価指標も見直します。

外部に頼む場合、何を依頼すればよいですか?

制作や広告運用など実行内容が決まっているなら、その仕事と判断基準を渡します。「何を優先するか」が決まっていない場合は、課題の整理、顧客・価値の選択、施策の優先順位づけから依頼すると、制作への指示までつなげやすくなります。

施策を動かしていても、次の判断が決まらないときは

utsuwaは、商品・ブランドの課題整理から、戦略、クリエイティブ、実行の推進まで支援しています。「どの施策を増やすか」の前に、いま必要な判断と、その判断に足りない材料を一緒に整理します。

utsuwaの支援内容を見る

現在の施策や検討中の資料をもとに、進め方から相談したい方は、お問い合わせから状況をお聞かせください。

編集:utsuwa。本記事の実務事例は支援記録をもとに匿名化し、進め方と判断内容を中心に紹介しています。

課題がまとまる前から、
ご相談いただけます。